■量出制入と量入制出

国の経済活動の貨幣的な表現である予算は量出制入を原則としている。量出制入とは、「出るを量って入るを制す」こと、つまり、支出に応じて収入が確定されることを意味している。そもそも財政とは公的な需要、社会のニーズを充足するための存在であるから、まず、財政民主主義の原則のもとでこれらのニーズを確定する必要がある。一方、収入の範囲内で支出をまかなう「量入制出」原則の家計と異なり、国は強制力と高い信用力を持っている。それゆえに、議会で決定された公的ニーズを租税の強制徴収と公債による低利の資金調達によって充足するのである。財務省の財政健全化は伝統的に「量入制出」原則で行われており、財政学の原則とは異なるものである。


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